ただいま思案中。

ハンドメイド作家がネットをさまよっています。

切り絵を飾って

 

 

学生時代、中国に旅行に行くたびに切り絵を買ってきた。
お土産に渡すと、母が「とても綺麗」と、気に入ってくれて、嬉しそうに額に入れて飾っていたのを今でも覚えている。

 

ある日、殺風景な作業場の壁を眺めていたら、ふと、何か飾りたくなりました。
以前、絵を飾っていたんですが、色を扱う仕事をしている作業スペースに飾ると視界に色が氾濫してイライラするのね。
そこで、昔、母にお土産で買ってきた黒い切り絵を思い出しました。

早速実家に戻って「切り絵、ある?」と訊いたら、
引き出しや押し入れに大切にしまい込まれた、小さな切り絵がいくつか残っていたのでもらってきましたよ。

今日は切り絵について、少し話してみようかと思います。

切り絵を飾って

実家からもらって来たのは京劇の剪紙(中国切り絵のことを剪紙と呼びます)
上海で買いました。

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母は台紙代わりにカレンダーの裏側に水糊で張り付けて額に入れていたんですが、カレンダーが黄ばんでいたので、水に軽く浸けて糊を落として丁寧に剥がしました。

黒い剪紙といっても、工作用の黒い画用紙を使っているのではなく、中国の切り絵は専用の紙を黒く染めているので、水に浸すと黒い染料が水に溶けていきます。

水に黒い染料がたくさん流れ落ちて剪紙が色褪せないように、大急ぎで糊を剥がさなければなりません。
繊細な剪紙が切れてしまわないよう、背中に冷や汗を滝のように流しながらの作業です。

剪紙のサイズは15センチほど。
形に残す旅の思い出は、小さくてもいいと思う。

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中国の切り絵は黒や赤の他に、彩色をほどこした色鮮やかなものもあります。
カラフルな剪紙も素敵なんだけど、実は飾るとすぐに色あせてしまうのが難点。

一方で、黒い剪紙は何年経っても美しいと思う。
色が無いだけに「魅せる」ためのデザインや技術の難易度も上がる。

潔い、輪郭だけの影の世界である。

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今にも動き出しそうな躍動感です。

さて、こういった剪紙はとっても薄くて繊細なので、いつも額に収めるのが一苦労。
額が、ガラスカバーではなくてアクリルカバーだと、静電気でくっついて思い通りに額に収まってくれない。
切り絵作家さんはどうやってフレームに収めているのか不思議なのである。

 

とはいえ、私は自分だけで楽しむのだから、気ままに・自由に飾るのである。

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余白が大きかったので、ちりめんの布なんぞ差し込んでみたりする。
淡いベージュの台紙が似合うと思ったんだけど、そんなものは家にはないのでボール紙を台紙代わりに使ってみたりする。
※そのうち淡い萌黄色の台紙でも額屋で買ってこようと思いつつ、たぶんずっとこのままの状態で飾るはずである。

黒い剪紙をみているうちに、遠く手の届かない過去になったはずの上海の匂いや空気の暑さ・雑踏が色鮮やかによみがって、楽しい時間を過ごせました。

 

でも、まだ懐かしむほど年老いてもいないのよ。

 

 

本日、本文はここまで。

 

中国についてはこちらも併せてご覧ください。 

cyancy.hatenablog.com

 

 

 

ここからは切り絵をご紹介します。

こういった古典的なデザインは人の好みにもよりますが、中国ではこのようなカラーの切り絵もよく見られます。

工芸作家の切り絵はお土産用とは比べ物にならないくらい繊細。

 

華やかな彩色も素敵ですが、職人芸を楽しむのならやはり黒い切り絵。
繊細な影が美しくて、額の中に吸い込まれそうです。

 

金魚などは、赤色が人気があります。
目が眩むほど繊細な切り絵。

(/ω\)ワタシが切り絵作家だったら発狂するね、こりゃ。

 

切り絵には、古典的デザインの他、コレクションしたくなるような、レトロで可愛らしいものもあります。

 

ご紹介した切り絵は切り絵専門店 剪紙屋双喜でした。

切り絵についてご紹介しています。併せてご覧ください。

cyancy.hateblo.jp