仙台を心から愛している者です。こんにちわ。
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仙台には祖母がいた。
年に1回だけ祖母に会いに行く。
私が子どもの頃、祖母は私にたくさん話しかけた。
「よぐぎだんだごど。あんだら、ぐるま、どごさおいてんだべ」
よく来たね、あんたたち、車、どこに停めてきたの?
祖母の東北弁は何を言っているのかわからなくて、母がいちいち私に通訳してくれないと会話が成立しなかった。
姉は人見知りで、何を言ってるかわからない祖母になつかなかった。
私は母似だったことと、人見知りが無かったので、祖母はいつも私に話しかけてきた。
でも、何を言っているのかわからないんだよね。難聴の私には呪文みたいだった。
私は何度も聞きなおして、祖母は何度も言い直して
そのうち母か、親戚が通訳してくれるまで会話が成立しない。
でも、祖母はいつも私のそばにいた。
毎年夏に行くのが恒例だった仙台旅行だが、ある年から「光のページェント」として、仙台の並木を冬にイルミネーションするイベントが始まった。
森の都が、金色に輝く。
うわー是非見てみたいね、ということである年、初めて冬の仙台に訪れた。
画像の使用ができないので、光のページェントで画像検索してみてください。
金色に輝く並木道。
私が初めて見に行った日は夕方まで雨が降っていて、歩道のそこここに水溜まりがたくさんあった。
水溜まりに映った木々は美しく光り輝いて、まるで異世界が水溜まりの中にひろがっているようだった。
華やかな七夕祭りとは違い、静かに輝く並木道。
震災後は鎮魂と復興のシンボルだった。
祖母はもうこの世にいないし、私も長く仙台へ行っていないけれど、偶然にも「仙台が懐かしい」というメッセージをとある方からいただいて
記憶の奥にしまい込んだ思い出があふれ出してしまった。
思い出の中の祖母は、やっぱり何を言ってるのかわからないけれど
それも仙台の思い出だ。
華やかでカラフル、賑やかなイルミネーションとは違って、金色一色の「光のページェント」は静かな森の都にふさわしいと思う。
ぜひ、機会がありましたら訪れ見てください。