大学を卒業して実家に戻った頃から、ずっと通い続けている美容院がある。
ショートカットで超美人の友人が教えてくれた美容院。
美容師は指名制なんだけど、私は美容師の名前など知らなかったので、そのとき手の空いていた男性が私の髪を切ってくれた。
その美容師が違う美容院に移ると私もついていき、彼が独立してからは、ずっとそこへ通っている。
つまり、夫より長い付き合いなのよね。
(ちなみにロマンスは全く生まれなかった)
美容師との会話は日常の他愛のない話ばかり。
なんでもない平凡な時間の中で私は、日々のモヤモヤした気分も、小さな苛立ちも、髪の毛と一緒にスパスパと切り捨ててもらったの。
つい先日、美容院に行ったら「シアンさんに大事な話がある」っていうの。
「何? どうしたの? 美容院、どこかに移すの?」と訊くと、「うーん、まぁ、移るというか・・・」と珍しく口ごもるから、私までソワソワする。
するとハガキを一枚、私に差し出して挨拶するの。「ここ、閉めることにしたんだよね」って。
Σ(゚Д゚)えぇーーーーーーっ!
彼曰く、このままだと将来が見えないのだという。美容師を辞めて会社員になるのだそうな。
彼の家庭の事情もあるのだろうけど、明日さえどうなるかわからない、このご時世である。
美容師は腕一本、ハサミさえあれば食べていけると思っていたけど、今はそういう時代でもないらしい。
思えば、お客の私の話なんて少しも聞きもしないで、いつも自分の興味のある話ばかりしている美容師だったな。
まぁ、それでも若い頃と変わらずに私を大事にしてくれていたのはよくわかっている。だから店を閉めると言われればとても寂しい。
「歳をとる」ってこういう事なのか。
私の大切な時間がまたひとつ、手の届かない思い出に変わろうとしている。
ああ、もう彼をネタにブログが書けなくなるじゃないか (/ω\)
それでも日々は何気なく続いていく
行きつけの美容院が店を閉めると聞いてから、しばらくの間何とも言えない気持ちを引きずっていた私ですが、現実は結構 情け容赦無かった。
クソ忙しいのよ (/ω\)
おかげで私は、ウンザリするような、そしてたぶんとても幸せな毎日に引き戻されました。
これはそんなある日の話。
我が家の小学生(低学年)の息子は、最近オバケや幽霊が怖くて仕方がない。
彼は、今から5mも離れていないトイレに行くのも怖いのだという。トイレ中に大声で「おかあさぁ~ん!」雄たけびを上げながら必死の形相で走ってトイレから出てくる。
私もオバケや幽霊が怖くて仕方のないこどもだったから、彼の「怖い」という気持ちはよくわかる。
よくわかるんだが
いちいちトイレに入るたびに「おかぁさぁ~~~ん」とトイレの中で大声で叫ばれるのは何とかならないものか。
大変想像力が豊かな彼である。
ある日、ふと思いついて、こどもとオバケについて話してみました。
私「オバケ、見たことあるの?」
彼「無いよ」
私「見たこともないのにオバケが怖いの?」
彼「うん」
私「あのさぁ~、お母さんは1日中家にいるんだけど、オバケに会ったことないんだよね。この家にはオバケいないと思うよ?」
彼「でも、なんか怖いんだよぅ」
とにかく怖いんだって。
( ゚Д゚)気持ちはわかるけどね。
で、さらに彼に訊いてみたんです。
私「オバケとお母さん、どっちが怖い?」
彼「お母さん」←即答
優しいお母さんからは以上でーす。