ただいま思案中。

ハンドメイド作家がネットをさまよっています。

 

 

久しぶりに布の山に囲まれて、裁断に明け暮れた。
作業机だけじゃ場所が足りなくて、椅子や足踏みミシンのテーブルにも布をのっけて、足下は布の切れ端が散らばるし、アイロンはスイッチ入れっぱなしでスチームにしてるから熱い蒸気だしてるし、私はと言えば頭に糸クズつけながら黙々と裁断作業。

心静かに真剣勝負。
そしてこの時間が心地いい。ちょっと目が回るけど。

手を動かして物を作る仕事は楽しい。
作ったモノに嘘が無いから。

他人の物欲を煽るような商品ライターの仕事を始めてみて、しみじみと思う。
結局は、誰かを幸せにできるような物を作る人だけが残るんだな。それ以外はただの泡。 

キューピー 全身ベビーソープ(泡タイプ) 詰替え350ml

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まだ10代の頃、枯山水でお坊さんに言われたことが、最近になって私の頭をグルグルと回るのである。

川の水は流れ流れてやがて二つに分かれてしまう。一方は大きくて流れやすい川。水はゆるく流れて、そこそこの大きさの湖にたどりつく。そこで水は満足する。
もう一つの流れは狭く細い急流で、山あり谷あり。苦労に苦労を重ねてやがて海にでる。広く大きな海に。
水は上から下へ流れるのみ。川はいったん分かれてしまえば後戻りはできません。と。

 

この人生において、果たして私は海へ行く道を探しただろうか。

 

 

さて、そんなカッコつけた話はどうでもいいんだが 

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

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私は最近どうしても気になる言葉がある。

「良いハンドメイド作家になるために頑張って感性磨きます」←これね、これ。

少々辛辣な話になるが、いい歳した大人が、他人にそんなことを今さら本気で言う感性ってどうなのという話をしたい。

感性を頑張って磨こうとしたら磨けるもんなのかって思うし、人にそんな恥ずかしいことをわざわざ宣言する人のキラキラ感性は、磨いたらどうにかまともになるのかって思うし、今までお前は何やってきたのって話だし、そんなんでこれからどこまで磨けるもんなのか見てみたいわって話なわけ。

せめて感受性が豊かな小学生のうちに、シェークスピアでも読んでおけば良かったんじゃないか、とかいう嫌味のひとつも出てくるわけ。

じゃあ、アンタは何様なのよって話になれば、私はしがない田舎のオバサンで、何かになれるような気がして、結局、何ものにもなれなかったなれの果て。
(/ω\)しかも家の床下にはキノコが生えてるのよ。

 

そんななれの果てに向かって「頑張って感性磨きます」とか浅いことを言ってはいけません。あなたの人生はもっと深いはず。

 

ハムレット (新潮文庫)

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感性は人生を豊かに彩るものだと思います。
そして感性が磨かれたからといって幸せになるとは限らない。


頑張って磨いた「感性」が実はメッキだったとかいって剥がれ落ちてこないように、お気を付けください。
そうじゃないと私みたいに泡になっちゃうぞ (/ω\)それは困る~

 

そうはいったって、泡のように消えるのもまた人生です。

 

本日は以上でーす。