ほたるを見に行ってきた。
20年以上前からホタルの生育環境を考えて作られたとてもとても大きな公園で、ほたる祭りが毎年行われている。
「ほたる祭り」では、人が多すぎてまともに歩けずに疲れてしまうのと、梅雨真っただ中なので雨が降り易く、カッパを着てるならまだしも、大混雑の中で傘をさされると目に入りそうで怖い。
そんな中で入場料を払って、夜に小さなこども達を連れまわして蛍を見るのは体力的にも精神的にも親として辛い。
ほたる祭りが終わって即、蛍が全くいなくなるわけでもないので、我が家では毎年ほたる祭りが終わったころ、静かになったころを見計らって見に行くことにしている。
地元の人は皆ほたる祭りが終わってから見に行くのだ。
祭りは終わっているので、静か。
そして蛍が少なくなるので無料。
公園内は灯りを消してあるので真っ暗。
目が慣れるまでは歩くのもこわごわ。
8時過ぎると、小さくてほのかな光がそこかしこに光り出す。
緩やかな小川のほとりでひとつ、またひとつ。
ふと、視線を上げると目の前を光の粒が流れていく。
「あ、蛍!」
上をみると、木々の間を飛び交う蛍、蛍、蛍。
目の前にも、足元にも、
振り返ると背後にも無数の光の粒。
蛍の乱舞が始まりました。
「うわー、キレイ!」
小川にも光の粒が映り込んで、無限に広がる夜の世界。
闇夜には時々、無粋なカメラの光や液晶の光も浮かびあがりますが
「こんなに綺麗なら撮りたくなるよね」と思います。
下の子が言いました。
「蛍は光って何をしているの?」
どういったらいいのかなぁ?とちょっと考え込んだら
「結婚しようよ、って言ってるの?」と訊かれました。
そうだね、きっとそうだね、と答えながらも
乱舞する光の粒を眺め続けている私たち。
小さい頃、毎年夏の夜に家族で近くを散歩して、田んぼに、小川に、乱舞する蛍を捕まえました。逃げないように閉じ込めた手の中で淡い緑色に光る蛍を、嬉しい気持ちでのぞいていた私と姉。
そんな記憶がよみがえります。
公園で蛍を捕まえるのは禁止なので、もうそんなことはできないのですが
こども達も大人になって
いつか蛍の乱舞を思い出すのでしょう。
そんなことを思った一日の終わりでした。
今年も火垂るの季節がきますよ。
またね